父を見ていると、病気にやられているというより、治療にやられてるという感じなんだ。お医者は丁寧に治療の説明をしてくれている、ように見える。こちらが納得するように説明してくれる、ように見える。見えた。

でも一旦治療が始まってしまうと、そんなこと聞いてないよ、というような事態が次々に起こる。その都度、説明はあるけれど、それしたらどうなるのか、ううん、どんな「痛み」を父が感じるのか、そこまではまるでわからない。わからないけど、待ったはできない。もうどんどん進んでいくしかない。
この管を入れれば、症状を改善できる、はず。お願いするしかない。教科書どおりだし、きっとたぶん、それが最善なんだろう。でも、すごく苦しんでる。その苦しみを和らげようとさらに管が増える。上から管。下から管。管1本入るだけで、どれだけダメージあるんだろう。どれだけ痛い?我慢するしかないのね。こんな「痛み」まで予想も覚悟も納得もしてやしなかったよね。

癌が暴れだす前にやっつける、そのための治療で父がやられてる。
どれだけ丁寧に説明されたって、肉体が感じるひとつひとつの痛み苦しみまで事前に想像して、受けるか受けないか判断するなんて出来ない。そして一旦受けたら、もうやめられない。

病気が辛いんじゃない、治療が辛いんだ。
私、癌になっても治療したくないな。

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