診察室で号泣したって。
吼えるような泣き声に医師も看護師も唖然としてたって。
付き添っていたカズコさんも、告知の内容ではなくその号泣に呆然としたって。
大量の鎮痛剤だけを処方されて待機。1週間後。痛みをおして恋人に会いに行ったその晩に大出血して救急車で運び込まれて入院。
子宮頸癌が骨盤に広く転移していて、肺にも。もう手術はできない。抗癌剤も放射線も効果は望めない。そんな段階だったって。
あっという間に癌は増悪して、腹水がたまって、身体中が浮腫んで人相が変わったって。入院して10日目に、息を引き取った。

何年も前から不正出血があるって言ってたけど若い頃から不順でと放っていた。どんどん痩せてきたのをスタイルが良くなったと喜んでいた。まわりの誰もが病院に行けと言ったけれど、きかなかった。
初めて診察を受けてから、一ヵ月で逝ってしまった。

若い頃からすこしばかりだらしないところがあって、周りからは小言ばかり貰っていて、それでもやりたいようにやって生きてきてた。
姉のカズコさんも、アキはあれでよかったんだよ、という。

体調の不良をわかっていて病院へ行かず好きに暮らした。
どうにもしんどくなってからは短期決戦。
入院中はモルヒネを限度いっぱいに投与されてほとんど意識は無かったらしい。あまり苦しまなかったと思う、とカズコさん。

享年45歳。

短期決戦。羨ましいような終わり方にさえ思える。

コメント

一砂 心
風雲児
2007年7月1日1:29

突然の死刑宣告。
あまりにも残酷で悲しい。
泣いても泣いても、悔やんでも反省してもどうにもならないけれど、私だって号泣するだろう。
死ぬまでの期間、彼女の胸中を察すると
身体の痛みよりも、その心の苦しさは耐え難いものだったろう。
そんな時でも、神や仏は沈黙を守り、
奇跡を起こしてくれないのなら、
今のうちに少々のムチャでも何でもしておきたいと思う。

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