8歳の夏

2007年8月17日
どんなに泣いても、どんなに願っても、聞き入れてもらえない、自分の思いは叶わないことがあるって知ったのは8歳の時。

学校から帰ったらお母さんが「おかえり」って言ってくれて、冷蔵庫に麦茶が冷えていて、「今日は暑いからひやむぎ」って言って一緒に近所の竹薮に茗荷を採りに行って、ひやむぎに入ってる紅い麺を1本味見させてもらって、王がホームランを打つのをお父さんとお母さんと三人で見て、シマシマの藪蚊がお父さんの腕に止まって、豚の鼻から蚊取り線香の煙が立ってて。

それはずっと続くと思ってた、というか、続くとか続かないとか考えたこともないくらいの、ただの暮らしだったけど、父と母が離婚することになった時、8歳のコドモの都合とか気持とか意見とかそんなものは最初っから存在しなかった。
オトナの都合の前でコドモにはなす術はなかった。
そのとき、諦めるしかないこともあって、諦めるなら早いほうがココロがラクだってことを知ったみたいだ。
もっと年齢がゆけば、なにかもっと頑張れることもいっぱいあるはずなんだけど、8歳で覚えた「諦める」やり方はしっかり身に着いてしまっている。

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