橙色の絨緞
2007年10月17日
北沢の迷路のような住宅街を歩いていて角を曲がったら金木犀の花が散り敷かれていた。見事さに立ち止まる。人通りの少ない小道。しっとりとした空気の中で輝く静寂。少しの乱れもない橙色の絨緞に、一歩を躊躇う。小一時間あとには踏みしだかれてしまうんだろうけれど。
敷かれたばかりの金木犀の絨緞を歩く最初のひとりになる幸運と痛ましさ。ブロック塀の上からキジ猫がじっと見ている。
敷かれたばかりの金木犀の絨緞を歩く最初のひとりになる幸運と痛ましさ。ブロック塀の上からキジ猫がじっと見ている。
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