みかん

2008年1月1日
桃栗三年柿八年・・・蜜柑は何年だろ?

実家へのお年始の帰り、蜜柑をふたつ渡された。
ポンカンみたいにぽこぽこしてよく色づいた大きいのと、色づきはまだらだけどつるっとキレイな小ぶりの。
結構甘いぞ、と嬉しそうに言ったのは父。

去年の秋の初め、まだ暑さの余韻が濃かったころ。父と、実家の庭に水を遣りながら蜜柑の木の話しになった。
去年は5つ実がついたんだけど全部落ちちゃったんだよ、と残念そうだった。そのときも幾つか小さな実を結んでいて、熟すかどうか気になるようだった。
「去年よりたくさん実がついてるし、今年ダメでも来年はきっと食べられると思うんだよ」

去年の夏、あまりの暑さに体調を崩して入院し、3週間ぶりに家に戻ってのことだった。私は、父の「来年」という言葉にドキッとした。ここ3年ほど、次から次に病状が変わり入退院が続いていたので、目の前の治療をこなすことばかりに必死で、俯いてしまっていた自分に気がついた。当の本人、父は庭に木を植え、盆栽に水を遣り、蜜柑が実る来年に皐の咲く未来に思いを巡らせているのだ。
来年も、再来年も、あるに決まってるじゃないか。バカ!美藤!

父がくれた蜜柑は、庭に実った蜜柑だ。帰りがけにふたつ、鋏で切って渡してくれた。食べられそうなところまで熟した8つのうちのふたつ。花の数を数え、青い実の数を数え、丹精して育てられた蜜柑。熟してくれてありがとうね、って言いたいよ、蜜柑。

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