コドモ時間

2010年6月5日 日常
蜘蛛の次は蟻である。

濡れ縁に腰掛けてぼんやり庭を見ていたら、足元を蟻がなにやら咥えて歩いていた。自分の体長の半分ほどもある、なんだろうお菓子のクズのようなもの。巣に帰るんだろうなぁと目で追っているとずんずんずんずん進んでいく。早い。ヒトなら襖抱えて球場を小走りで横切るくらいの勢いだ。ツツジの茂みの下に巣穴の入り口があった。大きな巣のようで、たくさんの蟻が出入りしている。小さな芋虫がいままさに巣穴に引きずり込まれようとしている。小さいといっても蟻よりはずっと大きい。逃げようと抵抗する芋虫に四方八方から蟻が集まってくる。喰うか喰われるかのドラマだったりするわけだね。

おお、リアルナショジオTVだぁ・・とか思いながら、しゃがみこんで蟻んこを眺めている私は、最近すっかり就学前のコドモみたいじゃないか。はるか昔もこんな時間を過ごしていたなぁと思い出して可笑しくなる。

何度でも巣を架けなおす蜘蛛や餌を運ぶ蟻。蜜柑やサツキの花に頭を突っ込み飛び交う蜂。来世はこの庭の虫の一匹に生まれ変わってもいいかな、なんてふと。全うされる命の在り方としては、あんがい上等かもしれない。
小さな庭でコドモの心に戻って(戻れやしないけど)ぼんやりしている時間がいま一番休まる時間だ。おかげで蚊に喰われたくるぶしが痒い。

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