美藤さぁん。

のぉんびりした口調で呼ばれるの好きでした。ほっこりした気持になりました。
若い頃から難しい病気を抱えていて、家のことだけをして暮らしてきたので、ときどきとんちんかんなこと言ったりやったりして「よこは世間知らずだから!」って姉妹から叱られてたけど、世間知らずはよこちゃんのせいじゃないもんね。
どんなことでも「ありがたい」って喜んで、誰彼のことを「いたわしい」って気にかけて。

3年前に羽田空港まで送ったとき、「これ頂いてきましたの」と言ってハンドバッグから出して見せてくれたのは、ハンカチに包んだアサリの貝殻でした。
「まあほらこれキレイな模様でしょう?」って。
昨夜のご飯のお味噌汁のアサリでした。
そんなものを・・・?そんなものを! そんなひとでした。
可笑しくも思いますが、いまは思い出して涙が出ます。

夫の従姉にあたるひとで、ふたまわり以上年齢は上でしたがほんとうに娘さんのようでした。

美藤さぁん?
よこちゃんにふんわりと呼ばれるの、ほんとに好きでした。



平成22年8月16日 午前10時18分。


コメント

はち
2010年8月20日17:01

お悔やみ申し上げます
もしかして、よこちゃんは北国のひとではありませんか
突然のぶしつけな質問でごめんなさい
というのは、北海道のような水温の低いところで育ったアサリには模様がないのです

美藤
2010年8月20日19:48

ああ、そうです。よこちゃんは、北海道で生まれ暮らしたひとでした。
アサリの模様のこと、知りませんでした。よこちゃんの無邪気な人柄ゆえとばかり思っていましたが、よこちゃんにとってはほんとうに「珍しい」ものだったんですね。
ひとの態度や言動には、生まれ育った風土や環境が確固とした理由として存在するんですよね。気付きませんでした。
ありがとうございます。

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