横須賀ストーリー

まだ映画は映画館で観るしかなかった頃のこと。
はるばる横須賀の名画座まで出かけて行ったことがある。

朝、新聞の映画欄で見て、よくよく確かめもせず出かけていったら午後の上映はなかった。でも、たぶん３時間近くかかったと思うんだけど、横須賀に着く頃には映画なんかどうでもよくなっていて、それよりもはじめて行った横須賀という街がなんだか面白かった。
お昼を食べに入ったシェーキーズはガタイのでかいメリケン野郎がいっぱいで、食べ放題とはいえ３枚も食べればお腹いっぱいというランチピザを山盛りで食べてる姿をみて、こーんな人達と戦争したのかーと呆れた記憶がある。
午後の時間はいっぱいあったので、観音崎へ行く路線バスに乗った。横須賀の市街を抜けるとバスはずうっと海岸線を走ったと思う。観音崎は大海原に向かう開放感が心地良かった。季節もよかったんだと思う。思いがけず青い碧いきれいな海で。東京湾を行き交う船も近くに見えて。自分の暮らす街とはまったく違う風景空気で、薄暗い名画座で３時間映画観てるよりずうっとよかったって思って、満足して帰った。

１０月の放浪日は、横須賀・観音崎にしようかなぁ。