大きな図書館の、何万冊という蔵書の棚に埋もれているこんな本を見つけてしまうのだ。こんな文字の連なりを見て、手に取らないではいられないでしょう。

何年か前、本屋で勘が働かなくなったなぁと思うときがあった。言葉に対する感受性が鈍くなっているのかなぁ、と。
何も考えずに棚を見て手に取った本が大当たりで、それはたいてい初めましての作家で、というような本の嗅覚がなくなってきてるなぁという時があった。

その嗅覚が戻ってきたかなぁとも思うけれど、まあ、いま私の中にある想いの、幾つかの言葉の断片を目が探しているだけかもしれない。

表題の随筆を読みながら、父親の骨上げのときの火葬夫の厳かで慈しみのある態度を書いている部分に、ああ、そうだったと思い起こした。
この本の「父」とは上野英信で、昔お目にかかったことのある谷川雁さんと繋がりのある作家。縁というにはあまりに細いつながりだけれど、それでも、上野英信の本を読んでみようかという気になる。

素直に読んでみたいと思う本に出会えるときって、それを求めているんだろうし、きっと間違いはないのだと思う。


コメント

はにゃ。
2012年3月4日16:30

本屋で勘が働かなくなったなぁという感覚、わかります~。

私も自分の感覚が鈍くなってしまったのかぁと思ったのと同時に、本屋に並んでいる書籍が(あまり好きでない)ヒットメーカーの作家ばかりで選択肢が少なくなったというのもあるのかなぁと思ったりしていました。

関係ない話ですが、最近、忙しいなぁと思うことが多くて、どうしてこんなに時間が無いんだろうと思っていますが、それは年を取って体力や集中力が落ちて、色々なことができなくなってきたんだなぁ・・・・という事実に気付いて、少し寂しいです(苦笑)。

なので読書量が極端に落ちました。しくしく。

美藤
2012年3月5日20:15

ヒットメーカーの作家ばかり・・ほんとそうですね。駅ビルに入ってるような本屋はどこへ行っても同じ「売れる本」が平積みされていて。
古本屋とか商店街の個人書店の棚で何年もじっと私を待っててくれたと思えるような本に出会えると幸せを感じます(笑)。

体力、集中力、ほんと落ちてます。前はもっとサクサクできてたはずなのに・・って。でも逆に、ほんとうにやりたいことだけやれば良いやって思うようにもなりました。

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