玄関の脇の、株立ちのモミジに若葉が戻った。
瑞々しい萌黄色の新芽には、秋の紅葉を予感させるような紅が滲んでいて、葉の下にそっと咲く小さな花も濃い紅色で可愛らしい。花が終わると柔らかな緑の掌をいっぱいに開いて薫風に踊りだす。
去年の今頃。
庭仕事を終えた父とふたりで、夕陽を浴びて風にそよぐモミジを眺めていた。
ああ、なんて・・・
「きれいだなぁ」
言葉にしたのは父だった。
一日いちにち、朝と夕とで繊細に優雅にダイナミックに変化する生命力が華やかな、美しい樹。我が家の守り木。
今年も、春モミジが風に揺れている。
庭のすべての草木に緑がもどった。父だけがいない。
瑞々しい萌黄色の新芽には、秋の紅葉を予感させるような紅が滲んでいて、葉の下にそっと咲く小さな花も濃い紅色で可愛らしい。花が終わると柔らかな緑の掌をいっぱいに開いて薫風に踊りだす。
去年の今頃。
庭仕事を終えた父とふたりで、夕陽を浴びて風にそよぐモミジを眺めていた。
ああ、なんて・・・
「きれいだなぁ」
言葉にしたのは父だった。
一日いちにち、朝と夕とで繊細に優雅にダイナミックに変化する生命力が華やかな、美しい樹。我が家の守り木。
今年も、春モミジが風に揺れている。
庭のすべての草木に緑がもどった。父だけがいない。
コメント
でも、読むととても寂しくなります。
不在って、寂しいですね。
いい歳をしていつまでも・・と思う気持もあるのですが
まだもう少し、ぽつりぽつりと父のこと書いておきたいと思うのです。